“木”は味覚、触覚、聴覚、視覚、嗅覚の五感を居心地良くしてくれます。
「味覚!?も」と疑問をもたれると思いますが、ヒノキの箸でごはんを食べると、口の中でほのかに木を感じることができます。
コンクリートに頬ずりしている人はいなくても、木肌の美しい柱に思わず手を伸ばして、その触覚を楽しむこともあるでしょう。
聴覚に関していうと、コンクリートの建物で話し声などの残響が残り何となく落ち着かない気分を経験した方も多いと思います。木材にもわずかな残響はありますが、適度に音を吸収してくれます。コンサートホールなど音を大切にする建物に木造建築が多いのもそのためです。
また、木は木目の美しさだけでなく人の目に適度の反射を与えます。白い壁ばかりの部屋に長時いると目がチカチカしてきますが、木に囲まれていると落ち着くのは木の反射率の良さ、つまり視覚的に目にやさしいのです。
森林浴やひのき風呂などの経験がある方も多いと思いますが、五感の中でいちばん、木を実感できるのは嗅覚かもしれません。木の香りに包まれた木造の家の中に入ると自然と目を閉じ、深呼吸をして木の香りを胸いっぱい吸い込んでリフレッシュしたくなります。木の香りには人の心をおだやかにし、リラックスさせてくれる大きな力があります。
松筑木材協同組合
事務局 財津 由朗